タイ最大規模の製造業展示会「Manufacturing Expo 2023」現地レポート | ピリピリ 東南アジア進出をサポート!
Thailand タイ

タイ最大規模の製造業展示会「Manufacturing Expo 2023」現地レポート

東南アジア最大級の製造業向け展示会の一つである「Manufacturing Expo 2023」。6月21日(水)から24日(土)にかけてタイのバンコク国際貿易展示場(BITEC)で開かれた本展示会の様子をレポートします。

 

コロナ禍以前の規模越えの9万名超が来場!


毎年6月に開かれ、コロナ禍以前は約9万人規模の来場者数を獲得していた同展示会。「Automotive Manufacturing」「Assembly & Automation Technology」「InterPlas Thailand」「InterMold Thailand」「Surface & Coatings」など、様々なテーマの展示会が開催されるため、東南アジアで最も注目を集める製造業イベントの一つとも言われています。
 
 

大型ブースの他、中国、台湾やシンガポールなど各国の中小企業が集まったパビリオンブースなども出展。4日間を通して今年はコロナ以前の来場者数に近い来場者数で79ヶ国から9万2,725名となった。

【来場者数・出展社数(国と地域)における過去5年の比較】(※2020・2021年は未開催)
2019年…9万5,668名
2020年…未開催
2021年…未開催
2022年…5万8,111名
2023年…9万2,725名

会場内でひときわ目を引いたのは、中国企業の出展社の多さである。「Automotive Manufacturing」「Assembly & Automation Technology」「InterPlas Thailand」「InterMold Thailand」「Surface & Coatings」など、各テーマの展示会ごとに中国企業のパビリオンが出展され、あらゆる領域で中国企業の存在感を確認できた。こうした背景の1つに、中国国内のコロナ規制が緩和があると推測される。これにより海外進出への動きが活発化し、結果として昨年以上に、数多くの中国企業の出展社が集うことになった。

主催者によると、来年の本展示会にも既に多数の中国企業からの申し込みがされており、出展企業の半分ほどは中国企業になると話す。

 

来場者に聞いた、タイの製造業DXのいま

タイでは全産業のDX(Digital Transformation)が推進されており、製造業においてもDXは推進されている。こうした背景から、本展示会ではBigbeat Bangkok Co., Ltd.が主催するITソリューションを提供する日系企業向けのプロジェクトICHIのパビリオンが設置された。



本展示会の来場者の中にもDXに関心を持つタイ人、日本人のビジネスパーソンは多く、タイの製造業DXについて、パビリオン来訪者の声を紹介する。

Q1.タイの製造業DXの現状や課題について教えてください

・ローカルの情報をいかにクラウドに移していくのかが今後の課題だと思います。
・東南アジアに比べると、タイのDXは進んでいるとは思いますが、紙に頼っているのが目立ちます。人件費が上がっている分をどこかで削る必要があるので、そのためにもバックオフィスのDXが必要だと思います。
・紙のベースでの仕事が多かったり、エクセルすら使わない/使えない人も多いので、例えばエクセルを教えたとしてもそれが無駄になります。そのため、ボタン一つで業務が進むレベルで簡略にしないと使ってもらえないと思います。また、日本の本社がデジタル化を進めていないのに、タイで先にデジタル化を進められるわけがありません。そのため、いくらタイ側で頑張っても意見を取り入れてもらえないことが多いです。


Q2. DXに関する情報をどのようにして入手しているか?

・WebやSNSなどのデジタルツールよりかは、同業者やシニアにいろいろと相談して意見や情報を集めています。メルマガも活用することもあります。
・CAD/CAMメーカーとの付き合いが多いので、そういうところから情報を得たりします。JETROや政府関連の機関から情報を仕入れることが多いです。
・現地の工場に行って、とにかく自分の足で情報を拾っています。どこが景気が良いか悪いなど肌で感じることができるので。製造業はメディアに広告を掲載して、情報発信をあまりしない印象があります。広告だけではわからないことがありますから。

 

5社の日系ITソリューション提供企業が参加!

ここからは、Manufacturing Expoにて、Bigbeat Bangkok Co., Ltd.が主宰するICHIパビリオンへの出展企業をご紹介いたします。 在タイの日系ビジネスパーソン向けのメディア「ArayZ」にて、より詳細な各社の紹介記事がございますので、そちらもご覧ください。


■QUALICA (Thailand) Co., Ltd.

クオリカ株式会社は、30年以上の実績を持つ製造業向けソリューション提供企業で、生産管理や会計ソフトなどを手がける。海外市場にも注力しており、クラウド型生産管理システム「ATOMS QUBE」や鋳造シミュレーションソフト「JSCAST」を提供している。「ATOMS QUBE」は、営gyoujuchuuyakoubaihacchuu,zaikokanriwoitigenkashi,kouritukawohakaru.ippou,「JSCAST」hachuuzoukekkanwoyosokushi,生産効率と品質を向上させる。クオリカは、タイの製造業が改革を求める中で、効率化と品質向上を支援する役割を担っている。 

QUALICA (Thailand) Co., Ltd. 特集記事はこちら
https://arayz.com/column/202306-ichi-me-qualica/


■Sansan Global Pte. Ltd.

Sansan株式会社は、請求書管理サービス「Bill One」や営業支援サービス「Sansan」を提供する企業です。Bill Oneは、企業が紙やメールで受け取る請求書をSansan社が代理で受領し、データ化して一元管理するサービスです。これにより、取引先のフォーマットを変えることなくデータの一元化が可能で、経理の業務効率が向上します。タイでは紙ベースの請求書がまだ9割以上を占めるため、Bill Oneのようなサービスは電子化と効率化に大きく貢献するとされています。 

Sansan Global Pte. Ltd. 特集記事はこちら
https://arayz.com/column/202306-ichi-me-sansan/


■ISID South East Asia (Thailand) Co., Ltd.

ISID South East Asiaは、生産DXと製造DXのサービスを展示しました。主要な製品として、「i-Reporter」はシムトップス社開発の帳票の電子化システムで、従来の紙帳票レイアウトを保ちながら、誤入力防止や入力時間削減を可能にします。もう一つ、「Opcenter」はシーメンス社の生産計画システムで、工場固有の計画策定方法を半自動的に反映し、生産計画の改変を効率よく行えます。さらに、シーメンスのローコードプラットフォーム「Mendix」も紹介されました。

ISID South East Asia (Thailand) Co., Ltd. 特集記事はこちら
https://arayz.com/column/202306-ichi-me-isid/

 
■Runexy (Thailand) Co., Ltd.
ICTソリューションプロバイダーであるラネクシーのタイ支社で、2020年設立。主力製品「MylogStar」は、PC操作のログを収集・管理し、不正操作や情報漏洩を防ぐセキュリティソフトで、6,000社からの採用と35万ライセンス発行を記録。MylogStarはPCへのインストールで稼働し、操作ログを社内サーバーまたはクラウドに保存。ログには、誰が何時にどのファイルにどのようにアクセスしたかが記録され、データ持ち出し防止となる。情報漏洩対策としては、外部攻撃に対する防衛と従業員の意識改革が重要で、これを支えるために、セキュリティ教育企業GSX社開発のe-learning「Mina Secure」を提供。これにより、情報漏洩リスクが高まる現在、安全な運用が可能となる。 

Runexy (Thailand) Co., Ltd. 特集記事はこちら
https://arayz.com/column/202306-ichi-me-runexy/


■Classmethod (Thailand) Co., Ltd.

Classmethod (Thailand) Co., Ltd.は、AWSの構築や導入支援で高く評価されており、タイ市場に注目している。コロナ禍により、オンライン化や自動化の重要性が理解され、クラウド利用のメリットが広く認識され始めた。同社の展示では、AWSやIoTを中心に、クラウドを使用して生産効率やコスト削減、さらには環境への配慮などがどのように向上するかを紹介。また、同社を通じてAWSと契約すると、3%の割引や多言語のテクニカルサポートが受けられるという。 

Classmethod (Thailand) Co., Ltd. 特集記事はこちら
https://arayz.com/column/202306-ichi-me-classmethod/

 

【2024年のイベント情報】

Manufacturing Expo 2024
・日時 2024年6月19日(水)~22日(土)
・出展品目 オートパーツ製造、金型、アセンブリ&オートメーション技術、コーティングなど
・公式サイト https://www.manufacturing-expo.com/

本メディアを運営している株式会社ビッグビートでは、海外展示会への出展サポートをしております。   日本からご出展されるご担当者は国内にいながら、弊社が展示会成功に向けて、出展企画から展示ブースの造作、コンパニオンなど運営スタッフの手配や管理など、ワンストップのサービスをご提供いたします。 
 

関連記事